我が国ニッポンのシンボルである富士山。
登るのもよいですが、『富士は眺める山』という言葉もある通り、どこから見てもこの均整の取れたシンメトリーのお山は美しく目を引きますよね。
そんな富士山が見える山を登るのも登山の楽しみの一つであり、富士見登山で有名な山もたくさんあります。
こちらでは著者が登った富士山が見える山の中で特におすすめなお山とルートを12座紹介させていただこうと思います。
★【初心者向け】
標準コースタイムは3~4時間で標高差も700m以下と、半日ぐらいで歩ける初心者向けのお山・ルートです。山デビューにも適しています。
三ツ峠(金ヶ窪登山口から)
標準CT:2時間45分
距離:約5.3km 標高差:約532m
まずご紹介するのが、富士山の北側、河口湖の北東に位置する三ツ峠(みつとうげ)です。
三ツ峠とは3つの山の総称で、最高峰は三ツ峠山(開運山)の標高1,785m。
最短距離である北西側にある金ヶ窪登山口からですと、往復5kmちょっとで休憩含め3~4時間あれば帰ってこれるハイキング的なお山です。
急な登りも無く、基本的に車も通るような林道歩きなので、初心者や子連れハイキングにもおすすめですよ。
駐車場にあった案内。
ほとんどこんな道で、お子さん連れもよく見ます。
山頂。
ちょっと曇ってますが、富士との距離が近いのでダイナミックな景観が楽しめます。
山小屋も2つあり、環境良いですよ。
登山記はこちら。
金時山(乙女峠から)
標準CT:約2時間40分
総距離:約6.2km 標高差:約620m
2つ目は、箱根の外輪山である金時山(1,213m)です。
金太郎伝説があるお山で、山頂には大きなマサカリの山頂標識があり、南東側からのバランスの良い富士の姿を眺めることができます。
生憎山頂はスッポリでしたが、こちらも距離が近いので迫力ありますよ。
山頂には山小屋があり、環境抜群!
箱根の町並みに箱根山、芦ノ湖まで見渡せます。
登山ルートはいくつもあり、主に南側からが人気。
著者は一番左下の乙女峠から登りましたが、右下の金時登山口や金時神社からのルートの周回も人気です。
大菩薩嶺(上日川峠から周回)
標準CT:3時間30分
総距離:約7.2km 標高差:約595m
3つ目は、山梨県北東部にある百名山、大菩薩嶺(だいぼさつれい)です。標高は2,057m。
上記2つよりは少し離れていますが、こちらも見事な富士の姿を望めるお山で、よく整備された登山道に魅力的な山小屋など、登山入門の百名山としても有名です。
山頂の大菩薩嶺は眺望はありませんが、大菩薩嶺~大菩薩峠の稜線からの富士はとても美しく惚れ惚れしてしまいます。
右には南アルプスや甲府盆地も見え、解放感抜群の絶景が楽しめます。
とても気持ちの良い稜線歩きです。
立派な山小屋も魅力の一つ。
特に大菩薩峠の介山荘はノスタルジックで安らぎますよ。
ルートが少し違いますが、登山記はこちら。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山(ペンションすずらんから)
標準CT:3時間5分
総距離:約6.1km 標高差:約653m
4つ目は、上記大菩薩嶺の南側近くにある日本一長い山名で有名な牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)です。
標高は1,990mで、西側にある最短ルートのペンションすずらんから登れば3~4時間で帰ってこれ、初心者におすすめなルートです。
こちらの牛奥ノ雁ヶ腹摺山と北隣にある小金沢山は、富士山の眺めが優れている山梨県大月市の”秀麗富嶽12景“に選ばれているので、山に慣れてきた人は大菩薩嶺から小金沢山経由で縦走するルートもおすすめですよ。
山頂から。
山頂直下の立ち枯れエリア。
そこからの富士も絵になります。
小金沢山山頂からもよく見えます。
とても気持ちの良い縦走路。
南アルプスの絶景も楽しめます。
大菩薩嶺から縦走した登山記はこちら。
竜ヶ岳(本栖湖キャンプ場から周回)
標準CT:4時間10分
総距離:約5.7km 標高差:約619m
初心者編最後は、富士山の北西、本栖湖の南岸に佇む竜ヶ岳(1,485m)です。
一番メジャーな本栖湖キャンプ場から時計回りに登ると、途中から笹原になり背の高い木が無くなるので、後半はずっと富士山を背に登ることができます。
登山中にこれだけ富士山を眺められる時間が長いお山もなかなか無いと思います。
登山道も優しくハイキング気分で登れ、個人的には富士山が見える山で一番好きなお山です。
竜ヶ岳山頂。
優しい山容です。
東屋でひと休み。
最後の方はずっとこんな眺めです!
山頂は広く、ベンチもあるのでまったりできますよ。
麓には本栖湖リゾートがあるので、春の芝桜の時期に行けば下山時に富士芝桜祭りに寄ることもできます!
★★【初級者向け】
標準コースタイムが5~7時間ぐらいで標高差は1,000m前後の、日帰りで丸一日歩いたなーという、少し山に慣れてきた初級者におすすめなお山・ルートです。
塔ノ岳(大倉尾根から)
標準CT:5時間20分
総距離:約13km 標高差:約1,270m
初級編の1つ目は、神奈川県は丹沢の塔ノ岳(1,491m)です。
山頂からは見事な富士山の姿を拝むことができ、相模湾や都心方面など、広範囲のパノラマ絶景が楽しめるお山です。
大倉尾根は通称”バカ尾根”と呼ばれ、距離と標高差は少々ありますが、そこまで急な登りは無くよく整備された登山道なのであまりハードには感じません。
丹沢名物の階段。
めっちゃ多いです。
山小屋がたくさんあり休憩ポイントも多数。環境抜群です!
山頂からの富士は圧巻!
相模湾や伊豆大島の眺めが最高です。
関東平野もバッチリ見えます。
登山記はこちら。
鍋割山(表丹沢県民の森から周回)
標準CT:5時間00分
総距離:約9.7km 標高差:約1,150m
初級編2つ目は、同じく丹沢の鍋割山(1,272m)です。
上記塔ノ岳の左にある山なのでほぼ同じアングルでの姿になりますが、塔ノ岳よりは少しだけ近いので、よりダイナミックな景観が味わえます。
名物の鍋焼きうどんが大人気で、むしろこの鍋焼きうどんが目的で登る人が大半かも?
特に鍋焼きうどんが目的な人は、協力してあげてください。
歩きやすい登山道。
最高のランチタイムが過ごせます。
天気の良い週末は大賑わいですよ。
こちらからの富士は『山』の字っぽいですね。
登山記はこちら。
表丹沢県民の森はマイカー限定になるので、距離はありますが大倉からスタートして塔ノ岳を周回するルートも人気ですよ。
愛鷹山(山神社から周回)
標準CT:6時間10分
総距離:約10.5km 標高差:約970m
初級編3つ目は、富士山の南側正面に佇む愛鷹山(あしたかやま)です。
日本二百名山に選ばれている山塊で、最高峰は越前岳(1,504m)。
北側の十里木からピストンで登るルートが人気ですが、北東側の山神社から黒岳・越前岳・呼子岳を周回するルートもおすすめです。
基本的には樹林帯で眺望はほぼありませんが、時折開けた場所や展望ポイントからは富士山が正面にどーんと見えます。
黒岳山頂からは全景は見れませんが、けっこう見えます。
黒岳展望広場より。
越前岳付近の富士見台より。
五十銭紙幣の富士山の撮影場所らしく、春は固有種のアシタカツツジが映えますよ。
杉の大木がいくつもあります!
登山記はこちら。
毛無山(ふもとっぱらから)
標準CT:5時間20分
総距離:約5.2km 標高差:約1,083m
初級編4つ目は、富士山の西側にあるキャンパーの聖地ことふもとっぱらキャンプ場の裏にそびえる毛無山(1,964m)です。
距離の割に標高差があり、永遠急登が続くややタフな山で、基本樹林帯で眺望もありませんが、時折開けた場所や山頂からは富士山を拝むことができます。
著者が登った時は生憎雲がスッポリでしたが、富士山との距離が近いので、クリアなら迫力ある富士の姿が見れますよ。
登り一辺倒でロープ箇所も多いですが、高度感を感じるような危険個所はほぼありません。
毛無なのに毛(木)だらけ。
ふもとっぱらのキャンプ場がよく見えます。
クリアなら見事な富士の絶景が楽しめますよ。
登山記はこちら。
杓子山(鳥居地峠から)
標準CT:4時間10分
総距離:7.2km 標高差:約812m
初級編最後は、富士山の北東、山中湖の北にそびえる杓子山(1,598m)です。
富士山がよく見える山でもトップクラスに有名なお山で、途中のカヤトの原や山頂からは見事な富士山を眺めることができます。
距離・標高差的には初心者向けですが、序盤の高座山にはけっこう急な登りがあり、途中痩せ尾根があったり少々ワイルドな箇所もあるので、まあまあ山歩きに慣れた方向けかなーという印象です。
高座山の直下はけっこう急です。
少しヒンヤリポイントも。
山頂にはテーブル・ベンチがいくつかあり、ゆっくり休憩できますよ。
有名な天空の鐘。
ちょっと雲が多いですが、クリアなら絶景です!
カヤトの原からの富士もかっこいいです。
登山記はこちら。
★★★【中級者向け】
基本的に1泊以上を必要とする中級者向けのお山・ルートで、南アルプスから2座をチョイスしました。
間ノ岳(広河原から)
標準CT:約15時間(1泊以上)
総距離:約17km 標高差:約2,420m
南アルプスは白峰三山の真ん中にそびえる間ノ岳(あいのだけ)。標高は3,190mと、北アルプスの奥穂高岳と並ぶ日本で3番目に高いお山です。
南アルプスはどこも富士山の眺めが良いのですが、こちら間ノ岳から眺める富士山は特に人気で、距離もまあまあ近くほど良い距離感で美しい富士を眺めることができます。
富士山の次に標高が高い北岳(3,193m)を経由する1泊のルートが一番メジャーで、”日本の標高2、3位の山を登りながら1位を眺める“という、贅沢な山旅が楽しめます。
間ノ岳山頂から。
ちょっと霞んじゃってますが、やはり美しいです。
頑張って歩いてきたご褒美です。
北岳からも綺麗に見えますよ。
北岳~間ノ岳~農鳥岳は3,000m超の稜線を歩くことができ、”天空の縦走路“とも呼ばれています。
登山記はこちら。
塩見岳(鳥倉登山口から)
標準CT:約14時間(1泊以上)
総距離:約26.1km 標高差:約2,350m
最後にご紹介するのは、同じく南アルプスのほぼ中央にそびえる塩見岳(3,052m)です。
長い樹林帯と山頂直下のやや険しい岩場をクリアした先には360度の大パノラマが待っており、特に富士山の眺めは最高です。
上記白峰三山や南アルプス深南部の山々も間近に見れ、心に残る絶景が堪能できますよ。
山頂(西峰)より。
東峰と富士山。
絵のような景観です。
南には荒川岳を含む南アルプス深南部の山々。
北には白峰三山。
長い樹林帯の美しいシラビソの森も魅力的ですよ。
登山記はこちら。
【おまけ】新倉山浅間公園
最後の最後はおまけとして、河口湖の東にある新倉山(あらくらやま)をご紹介します。
その新倉山の麓にある新倉山浅間神社(公園)からは、ご覧の通りの”THE JAPAN”な風景が見れることで有名で、特に桜のシーズンには世界各国から人々が集まります。
軽装で行けますが、けっこう階段を登るので履きなれたスニーカーが◎こちらのポイントから30分ぐらい登れば新倉山山頂に行けますよ。
桜まつり開催期間中はすごい人です。
満開の桜に富士山が映えます。
日本人としても、一生に一回は見ておきたい絶景だと思いますので、機会があれば是非!
さいごに
今回は富士山が綺麗に見えるおすすめのお山・ルートを12座紹介させていただきました。
特に富士山周りの外輪山は距離も近いので迫力ある姿が見れ、初心者向けのお山も多いのでおすすめですよ。
時期のおすすめは山頂に雪を被っている秋~春で、特に冬は空気が澄んでいてより美しさが増す印象です。
皆さまも是非、富士見登山を楽しんでくださいませ。
おしまい
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