上高地から登る初夏(6月末)の1泊2日槍ヶ岳【槍ヶ岳山荘泊】

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登山記
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日本百名山の著者である深田久弥さん曰く、登山をしたことの無い人が富士山に一度は登ってみたいと思うように、登山をしてる人が一度は登ってみたいと思うのが槍ヶ岳らしいです。

たしかに!!

高校のワンゲル時代に登った常念岳・蝶ヶ岳から初めて間近に見た槍ヶ岳。
あれからもう約20年経ち、先月登った燕岳から見た槍ヶ岳に『そろそろ登りに来いよ』と言われた気がし、もうレベル50を超えた(登った百名山の数)し、友人と3人で挑戦してみました。

さすが往復約40km弱、とにかく長かった・・・
そして落石に急なスコールの中での雪渓登り、穂先の高度感、ヘルメット着用で助けられたりと、これまでの山では経験した事のない出来事がたくさんあり、憧れの存在の尊さを実感しました。

ルート・コースタイム

一番オーソドックスな上高地からの槍沢ルートのピストンです。

距離は長いですが、半分以上は斜度がほぼ無い林道歩きです。

コースタイム

【1日目】
6:30上高地 ⇒ 8:09徳澤ロッヂ8:21 ⇒ 9:35横尾9:45 ⇒ 10:56槍沢ロッヂ(昼飯)11:53 ⇒ 16:55槍ヶ岳山荘《泊》
【2日目】
4:30槍ヶ岳山荘 ⇒ 4:55槍ヶ岳山頂5:08 ⇒ 5:30槍ヶ岳山荘(朝飯)6:21 ⇒ 9:05槍沢ロッヂ9:48 ⇒ 10:55横尾11:18 ⇒ 12:20徳澤(昼飯)13:05 ⇒ 14:50上高地

総距離:約38.3km 標高差:約2,100m

コース状況としては、まだ初夏のため残雪があり槍沢には大き目な雪渓が数か所ありました。

そんな怖い斜度ではなく慎重に歩き通過できましたが、アイゼン着脱やらでけっこう時間がかかりました。

穂先のみ高度感があるので、それ以外はそこまで危険個所は無いと思います。ただ距離が長いです。

何より落石が怖かったです…

駐車場

沢渡第3駐車場

あたくしは関東住みなので、毎度上高地へ入る際は沢渡のバスターミナル前にある第3駐車場(かすみ沢駐車場)を利用しています。

一日700円で24時を過ぎると加算される方式です。

マップです。

ハイシーズンは上段・下段全部満車になることもありますが、周辺には他にも駐車場あります。

登山記

沢渡バスターミナルの券売機

夜中に駐車場に到着し、仮眠し5時前起床。

地下道を通り隣のバスターミナルへ。キレイなトイレ有り。

今日の始発バスは5:40でした。

時刻表・運賃などはアルピコ交通のホームページでご確認を。

乗客はまだ6月のためか、休日ですが20人ぐらいでした。

早朝の大正池

大正池は朝靄がよく似合います。

早朝の河童橋

生憎穂高はスッポリ。

明日は晴れてくれたので結果は良し!

河童橋のサルの親子

河童橋は猿の楽園と化してました。

癒された~

上高地の散策を歩く登山者

とりあえず横尾までの3時間ぐらいはこんなハイキングロード。

上高地の散策路

ミドリが新鮮で空気が美味い!

上高地の新緑

瑞々しー

ギンリュウソウ

ギンリュウソウに

キノコ

可愛いキノコも♪

明神館

一時間ぐらいで明神館へ。

ここを左に600m程歩くと明神池があり、上高地でハイキングする人はここまで来る人が多いです。

上高地の登山標識

再びてくてく1時間ぐらい歩き

槍沢ロッヂ

徳沢へ。

トイレをお借りしましたが、ウォシュレット付きでビックリ。100円。

中にあったカフェが山小屋の域を超えてました。

上高地の自然

これまた気持ちいいハイキングロードを一時間ぐらい歩き

上高地の横尾

ほぼコースタイム通り出発から3時間ぐらいでやっと横尾に到着。

横尾の登山標識

もう11kmも歩いちゃったのね。

距離的には半分だけど、行程的には1/3弱。

横尾で休憩する登山者たち

ここは穂高・涸沢方面と槍方面、常念・蝶ヶ岳方面への分岐地点で、ここから本格的な登山道に入るのでみんなここで身支度を整えます。

あの左奥の横尾大橋を渡ると涸沢へ。
涸沢はまだ雪がたくさんあるみたいで、むこうに向かう人はピッケル持ってる人が多かったです。

槍方面もピッケル持ってる人がけっこういて、自分らは持ってきてなくて不安になったけど、なんとか登れました。

ペプシコーラと蝶々

250円のペプシうまーい。この山行で4本も飲みました。

さすがメッカ!
ここまでは一時間位おきで山小屋があり、どこもご飯食べれるしジュースなどの自販機も有り。宿泊も可能。もちろん水場も。

ほんと環境抜群。

槍ヶ岳へ向かう登山道

さーて、気合い入れて出発!ここから11km、1,600mの登り!

でも次の山小屋である槍沢ロッヂまでは全然急じゃなかったです。

この後もこんな感じでかなりの数の小さな沢を渡る。

切り株に新芽

大きくなれよ!

槍ヶ岳へ向かう登山道

そして今回驚いたのが、登山道の整備ぐあい。

もうハンパないぐらい整備されてて

槍ヶ岳の登山道

途中のガレ場も石畳のように整備されてて、基本大股を上げる様な箇所を少なくしてくれてる感じ。

ほんと感服しました。どうもありがとうございます!

距離は長いけど、整備が行き届き山小屋もたくさんあり、ほーんと環境良かったです。

槍ヶ岳の登山道を歩く親子

あんな小さな少年まで!

しかもめっちゃ早かった。

槍沢ロッヂ

横尾から一時間ちょっとで槍沢ロッヂへ到着し、こちらで昼休憩。

ここにも自販機・水場や食事有り。宿泊可能。なんと風呂も有り。

明日の帰りのランチはどこの小屋で食べようかなーとかウキウキになる。

槍ヶ岳の登山道を歩く登山者

この槍沢ルートはその名の通り『槍沢』という沢沿いに登っていくので、基本的にはずーっと隣にいずれ梓川になる沢が流れてる。

槍ヶ岳の登山道を歩く登山者

こういう橋を渡ったり

槍ヶ岳の登山道を歩く登山者

まだまだ残雪期でもあるので、途中小川の様な道もたくさん。

もちろんですが、防水対応の靴じゃないと無理。

初夏の槍ヶ岳の登山道

ババ平を過ぎた辺りから雪渓が現れ始めました。

雪渓をトラバースする登山者

こんなトラバースもありますが、きちんと雪切りしてくれてたので安心でした。

槍沢の雪渓

左はすとーーんといっちゃいます。。

槍沢の雪渓

そんなエグい斜度ですが、腐ったシャーベットっぽい雪というか氷なので、滑りやすいしけっこう緊張しました。

半分ぐらいの人はつぼ足(ノーアイゼン)で登ってたけど、自分は登りも下りもチェーンアイゼン付けました。
自分のツレは登りはつぼ足、下りは12本のアイゼン付けてました。安心感が違います。

槍沢の雪渓

こんなでっかい雪渓が何箇所もあったので、雪渓歩きに慣れてない人はこの時期はやめた方がいいです。

実際グループを引率してたガイドらしき人でも数メーター滑ったりしてました。

槍沢の雪渓

雪渓を振り返る。

槍沢の雪渓

途中大雨が降ってきてレインパンツを履く。

でも15分ぐらいで止んで、そして雪渓終わったら長い夏道、そしてまた雪渓って感じで、アイゼン着脱やら着替えやらでかなり時間ロスしました。

槍沢の雪渓と登山道

そしてなんと、この辺グリーンバンド過ぎた辺りで、左上から『パーンッ』という銃声みたいな音が聞こえたと思ったら、直径70~80cm程の巨岩が左上からものすごい早さで転がり降ってきた!

自分の下を歩いていたツレの10m先ぐらいを落ちていき、めっちゃくちゃ怖くなりました。

ヘルメットしてても当たったら即死レベルでした。

明らかに今まで行った山より『死』が近いと思った。

槍ヶ岳の穂先

ガスが一瞬退いて穂先が見えた!

でもここからが長かった・・・というかめっちゃキツかった・・・

CT40分ぐらいなのに1時間半ぐらいかかってしまい

槍ヶ岳山荘

ノロノロ亀のスピードで、やっとのこと16:55頃に本日最後の登山客として槍ヶ岳山荘に到着。

遅くなってすいませんとペコペコ。

山小屋は基本15~16時までには到着するのがマナーらしいです。

この時はコロナ前でしたが、コロナ後以降は予約が必要みたいです。

>>web予約はこちらから

槍ヶ岳山荘の館内

めっちゃ散らかしちゃいましたが。。そんな宿泊者は多くなく(30人ぐらい)、もちろん一人一つの布団使えました。

槍ヶ岳山荘の晩御飯

もう腹ペコペコ・・・メシ!メシ!

ご飯とみそ汁おかわり自由。梅とふりかけもおかわり自由でした。

そして外は大雨&強風になり、ちょっと団欒して20時頃就寝。(20時半消灯)

槍ヶ岳の夜明け

翌朝。4時起床。

晴れたーーー!!

最高の朝焼けじゃないの!

いい予感しかしないぞ!

槍ヶ岳の夜明け

月明かりがキレイでした。

風が少々あったので、着込んでメット被って身軽で穂先にアタック!

メットは自分は持参しましたが山荘で借りられます。500円。

槍ヶ岳の穂先を登る

こえぇぇぇ…

人にもよると思いますが、全然大丈夫との情報もあったので大丈夫だろうと思ってたけど、ナメてました。。

でも、マーキングや足場は基本しっかりしてるので、あとは恐怖心との戦いでした・・・

槍ヶ岳の穂先を登る登山者

混雑緩和の為登りと下りはルートが違うので、この写真だと左が登り、右が下り。

何度も足がすくみましたが、もう登るしかないので進む。

しかもこの辺で岩に頭をぶつけてしまい、ノーヘルだったら出血レベルのインパクト。メットに救われてしまいました。

影槍

影槍!

槍ヶ岳の穂先を登る登山者

有名な最後の2連ハシゴ!

自分はハシゴは全然大丈夫でした。岩登りの方が怖かったです。

槍ヶ岳山頂

てっぺん着いたーーー!!

槍ヶ岳山頂から眺める朝日

ちょうど表銀座、大天井岳の向こうからサンシャインアターック!

槍ヶ岳山頂から眺める表銀座の尾根

んまぁ~ 最高のビューですね~

いつかこの表銀座を歩いてみたい!

槍ヶ岳山頂から眺める雲海

下界は雲海。

ここから時計回りに名峰を。

槍ヶ岳山頂から眺める富士山と南アルプス

南東に富士様と南アルプス。

槍ヶ岳山頂から眺める穂高へ続く稜線

すぐ南には槍から穂高へと続く稜線。

手前から大喰岳、中岳、南岳。

百名山もそうだけど百高山制覇も視野に入れてるので、次回槍登る時はピストンしないであっちに行くと思います。

槍ヶ岳山頂から眺める穂高連峰

その奥の穂高連峰もギザギザでカッコイイ!

いつかあの大キレットを縦走する日は来るのだろうか・・・

槍ヶ岳山頂から眺める乗鞍岳

その右には乗鞍岳。

槍ヶ岳山頂から眺める槍ヶ岳山荘と笠ヶ岳

その右に笠ヶ岳。

左下に泊まった槍ヶ岳山荘。

ちなみに山荘の標高は3080mなので、約100mの登りでした。

ちなみに、笠ヶ岳は5年後の2023年に登りました。

槍ヶ岳山頂から眺める西鎌尾根と北アルプス最深部の山々

そして西側にはこれも憧れの裏銀座!北アルプス最深部の山々!

手前は槍から延びる西鎌尾根。

歩きたーい!

あちらはこの翌年の2019年に鷲羽岳まで登りました。

槍ヶ岳の穂先を下る登山者

まあまあ人が多かったので、15分ぐらいで下山開始。

あんな表情してるけど、実際は怖かったです。

でも基本数メーターおきぐらいに身を置ける場所があったので、ちょっと安心しました。

槍ヶ岳の穂先を下る登山者

でも、登山の事故は下山時に多いので、慎重に慎重に。

槍ヶ岳の穂先

無事穂先ハント完了し、眺める。

すっごい達成感と安堵感。

槍ヶ岳の穂先

よくまあこれ登ったよ。

槍ヶ岳の穂先のマーキング

ズームするとマーキングがたくさん。

ハイシーズンは渋滞だそうな。

基本往復1時間ぐらいですが、2時間ぐらいかかる時もあるみたいです。

槍ヶ岳から眺める常念岳

ピラミダルな常念岳が目を引きます。

そろそろまた登りに行こうかな。

槍ヶ岳山荘前のテラス

テラスで朝飯を。

実は朝食は5時半からで、自分らは朝食前に穂先に登る予定で、5時半に帰ってこれるかわからなかったので弁当にしてもらいました。

結局ちょうど5時半に下山したので山荘で食べれたけど。

槍ヶ岳山荘のお弁当

ちまきむすびかな?美味かったです!

お茶付いてました。

槍ヶ岳山荘から眺める常念岳

帰り支度をし、部屋から常念にお別れを。

槍ヶ岳の槍沢カール

さーて、このカールを下りますかー

雪渓やだなー・・・

6:20過ぎに下山開始!

槍ヶ岳は花の百名山にも選ばれてるので、綺麗なお花がたくさん咲いてました。(でも羽虫がめちゃ多かった)

槍ヶ岳で見たお花
槍ヶ岳で見たお花

そう、下りは撮る余裕ができたのです。

槍ヶ岳で見たハクサンイチゲ

ハクサンイチゲに

槍ヶ岳で見たイワカガミ

イワカガミも綺麗でした。

槍ヶ岳の穂先

登りガスってたししんどすぎてあまり撮れなかったけど、今日は元気だし晴れてるので何度も振り返りパシャリ。

槍ヶ岳の雪渓

この雪渓が一番長かったけど、滑り止め装着で慎重に行けば大丈夫でした。

槍ヶ岳の雪渓と穂先

北アルプスの大スター槍ヶ岳よ。

感動をありがとう!

槍ヶ岳

あの辺が昨日落石あった辺り。

メットした方がいいです。

槍沢ロッヂ

山荘から3時間弱で槍沢ロッヂへ。

槍沢ロッヂの望遠鏡

今日は晴れてるので置いてありました!

槍沢ロッヂから眺める穂先

最後にお別れを。

じゃーね。またいつか登りにきます。

槍沢を流れる清流

今日は晴れてるから清流がキレイです。

槍沢を流れる清流

水遊びしたーい。

横尾山荘

槍沢ロッヂから1時間ちょっとで横尾へ。

横尾で休憩する登山者

良い天気~

またこちらでペプシを一気に飲み。

上高地の新緑

そして木漏れ日を浴びながら

上高地のサルの親子

おサルさんに挨拶しながら

上高地の徳澤

横尾から1時間ぐらいで徳沢へ。

徳澤の生ビール

かんぱーい♪しちゃいます。

徳澤のカレー

ペロリ。

徳澤のビール

この山小屋、色々と豊富でいつか泊まりたくなりました。

徳澤のテラス

テラスもおしゃれです。

上高地で見た太陽

あっつーー

ほんと真夏になりました。

上高地の風景

上高地らしい景色になってきました。

上高地の新緑の中を歩く登山者

最後もまたミドリに癒され

上高地の新緑

槍ヶ岳山荘から8時間半ぐらいで

上高地の河童コロッケ

ゴーール!

わさび味のかっぱコロッケをパクリし帰宅。

いやぁぁ、疲労困憊。

極上の達成感と充実感、疲労感が味わえました。

おしまい

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