日本百名山の著者である深田久弥さん曰く、登山をしたことの無い人が富士山に一度は登ってみたいと思うように、登山をしてる人が一度は登ってみたいと思うのが槍ヶ岳らしいです。
たしかに!!
高校のワンゲル時代に登った常念岳・蝶ヶ岳から初めて間近に見た槍ヶ岳。
あれからもう約20年経ち、先月登った燕岳から見た槍ヶ岳に『そろそろ登りに来いよ』と言われた気がし、もうレベル50を超えた(登った百名山の数)し、友人と3人で挑戦してみました。
さすが往復約40km弱、とにかく長かった・・・
そして落石に急なスコールの中での雪渓登り、穂先の高度感、ヘルメット着用で助けられたりと、これまでの山では経験した事のない出来事がたくさんあり、憧れの存在の尊さを実感しました。
ルート・コースタイム
一番オーソドックスな上高地からの槍沢ルートのピストンです。
距離は長いですが、半分以上は斜度がほぼ無い林道歩きです。
【1日目】
6:30上高地 ⇒ 8:09徳澤ロッヂ8:21 ⇒ 9:35横尾9:45 ⇒ 10:56槍沢ロッヂ(昼飯)11:53 ⇒ 16:55槍ヶ岳山荘《泊》
【2日目】
4:30槍ヶ岳山荘 ⇒ 4:55槍ヶ岳山頂5:08 ⇒ 5:30槍ヶ岳山荘(朝飯)6:21 ⇒ 9:05槍沢ロッヂ9:48 ⇒ 10:55横尾11:18 ⇒ 12:20徳澤(昼飯)13:05 ⇒ 14:50上高地
総距離:約38.3km 標高差:約2,100m
コース状況としては、まだ初夏のため残雪があり槍沢には大き目な雪渓が数か所ありました。
そんな怖い斜度ではなく慎重に歩き通過できましたが、アイゼン着脱やらでけっこう時間がかかりました。
穂先のみ高度感があるので、それ以外はそこまで危険個所は無いと思います。ただ距離が長いです。
何より落石が怖かったです…

駐車場

あたくしは関東住みなので、毎度上高地へ入る際は沢渡のバスターミナル前にある第3駐車場(かすみ沢駐車場)を利用しています。
一日700円で24時を過ぎると加算される方式です。
マップです。
ハイシーズンは上段・下段全部満車になることもありますが、周辺には他にも駐車場あります。
登山記
1日目

夜中に駐車場に到着し、仮眠し5時前起床。
地下道を通り隣のバスターミナルへ。キレイなトイレ有り。
今日の始発バスは5:40でした。
時刻表・運賃などはアルピコ交通のホームページでご確認を。
乗客はまだ6月のためか、休日ですが20人ぐらいでした。

大正池は朝靄がよく似合います。

生憎穂高はスッポリ。
明日は晴れてくれたので結果は良し!

河童橋は猿の楽園と化してました。


癒された~

とりあえず横尾までの3時間ぐらいはこんなハイキングロード。

ミドリが新鮮で空気が美味い!

瑞々しー

ギンリュウソウに

可愛いキノコも♪

一時間ぐらいで明神館へ。
ここを左に600m程歩くと明神池があり、上高地でハイキングする人はここまで来る人が多いです。

再びてくてく1時間ぐらい歩き

徳沢へ。
トイレをお借りしましたが、ウォシュレット付きでビックリ。100円。
中にあったカフェが山小屋の域を超えてました。

これまた気持ちいいハイキングロードを一時間ぐらい歩き

ほぼコースタイム通り出発から3時間ぐらいでやっと横尾に到着。

もう11kmも歩いちゃったのね。
距離的には半分だけど、行程的には1/3弱。

ここは穂高・涸沢方面と槍方面、常念・蝶ヶ岳方面への分岐地点で、ここから本格的な登山道に入るのでみんなここで身支度を整えます。
あの左奥の横尾大橋を渡ると涸沢へ。
涸沢はまだ雪がたくさんあるみたいで、むこうに向かう人はピッケル持ってる人が多かったです。
槍方面もピッケル持ってる人がけっこういて、自分らは持ってきてなくて不安になったけど、なんとか登れました。

250円のペプシうまーい。この山行で4本も飲みました。
さすがメッカ!
ここまでは一時間位おきで山小屋があり、どこもご飯食べれるしジュースなどの自販機も有り。宿泊も可能。もちろん水場も。
ほんと環境抜群。

さーて、気合い入れて出発!ここから11km、1,600mの登り!
でも次の山小屋である槍沢ロッヂまでは全然急じゃなかったです。
この後もこんな感じでかなりの数の小さな沢を渡る。

大きくなれよ!

そして今回驚いたのが、登山道の整備ぐあい。
もうハンパないぐらい整備されてて

途中のガレ場も石畳のように整備されてて、基本大股を上げる様な箇所を少なくしてくれてる感じ。
ほんと感服しました。どうもありがとうございます!
距離は長いけど、整備が行き届き山小屋もたくさんあり、ほーんと環境良かったです。

あんな小さな少年まで!
しかもめっちゃ早かった。

横尾から一時間ちょっとで槍沢ロッヂへ到着し、こちらで昼休憩。
ここにも自販機・水場や食事有り。宿泊可能。なんと風呂も有り。
明日の帰りのランチはどこの小屋で食べようかなーとかウキウキになる。

この槍沢ルートはその名の通り『槍沢』という沢沿いに登っていくので、基本的にはずーっと隣にいずれ梓川になる沢が流れてる。

こういう橋を渡ったり

まだまだ残雪期でもあるので、途中小川の様な道もたくさん。
もちろんですが、防水対応の靴じゃないと無理。

ババ平を過ぎた辺りから雪渓が現れ始めました。

こんなトラバースもありますが、きちんと雪切りしてくれてたので安心でした。

左はすとーーんといっちゃいます。。

そんなエグい斜度ですが、腐ったシャーベットっぽい雪というか氷なので、滑りやすいしけっこう緊張しました。
半分ぐらいの人はつぼ足(ノーアイゼン)で登ってたけど、自分は登りも下りもチェーンアイゼン付けました。
自分のツレは登りはつぼ足、下りは12本のアイゼン付けてました。安心感が違います。

こんなでっかい雪渓が何箇所もあったので、雪渓歩きに慣れてない人はこの時期はやめた方がいいです。
実際グループを引率してたガイドらしき人でも数メーター滑ったりしてました。

雪渓を振り返る。

途中大雨が降ってきてレインパンツを履く。
でも15分ぐらいで止んで、そして雪渓終わったら長い夏道、そしてまた雪渓って感じで、アイゼン着脱やら着替えやらでかなり時間ロスしました。

そしてなんと、この辺グリーンバンド過ぎた辺りで、左上から『パーンッ』という銃声みたいな音が聞こえたと思ったら、直径70~80cm程の巨岩が左上からものすごい早さで転がり降ってきた!
自分の下を歩いていたツレの10m先ぐらいを落ちていき、めっちゃくちゃ怖くなりました。
ヘルメットしてても当たったら即死レベルでした。
明らかに今まで行った山より『死』が近いと思った。

ガスが一瞬退いて穂先が見えた!
でもここからが長かった・・・というかめっちゃキツかった・・・
CT40分ぐらいなのに1時間半ぐらいかかってしまい

ノロノロ亀のスピードで、やっとのこと16:55頃に本日最後の登山客として槍ヶ岳山荘に到着。
遅くなってすいませんとペコペコ。
山小屋は基本15~16時までには到着するのがマナーらしいです。
この時はコロナ前でしたが、コロナ後以降は予約が必要みたいです。

めっちゃ散らかしちゃいましたが。。そんな宿泊者は多くなく(30人ぐらい)、もちろん一人一つの布団使えました。

もう腹ペコペコ・・・メシ!メシ!
ご飯とみそ汁おかわり自由。梅とふりかけもおかわり自由でした。
そして外は大雨&強風になり、ちょっと団欒して20時頃就寝。(20時半消灯)
2日目

翌朝。4時起床。
晴れたーーー!!
最高の朝焼けじゃないの!
いい予感しかしないぞ!

月明かりがキレイでした。
風が少々あったので、着込んでメット被って身軽で穂先にアタック!
メットは自分は持参しましたが山荘で借りられます。500円。

こえぇぇぇ…
人にもよると思いますが、全然大丈夫との情報もあったので大丈夫だろうと思ってたけど、ナメてました。。
でも、マーキングや足場は基本しっかりしてるので、あとは恐怖心との戦いでした・・・

混雑緩和の為登りと下りはルートが違うので、この写真だと左が登り、右が下り。
何度も足がすくみましたが、もう登るしかないので進む。
しかもこの辺で岩に頭をぶつけてしまい、ノーヘルだったら出血レベルのインパクト。メットに救われてしまいました。

影槍!

有名な最後の2連ハシゴ!
自分はハシゴは全然大丈夫でした。岩登りの方が怖かったです。

てっぺん着いたーーー!!

ちょうど表銀座、大天井岳の向こうからサンシャインアターック!

んまぁ~ 最高のビューですね~
いつかこの表銀座を歩いてみたい!

下界は雲海。
ここから時計回りに名峰を。

南東に富士様と南アルプス。

すぐ南には槍から穂高へと続く稜線。
手前から大喰岳、中岳、南岳。
百名山もそうだけど百高山制覇も視野に入れてるので、次回槍登る時はピストンしないであっちに行くと思います。

その奥の穂高連峰もギザギザでカッコイイ!
いつかあの大キレットを縦走する日は来るのだろうか・・・

その右には乗鞍岳。

その右に笠ヶ岳。
左下に泊まった槍ヶ岳山荘。
ちなみに山荘の標高は3080mなので、約100mの登りでした。
ちなみに、笠ヶ岳は5年後の2023年に登りました。

そして西側にはこれも憧れの裏銀座!北アルプス最深部の山々!
手前は槍から延びる西鎌尾根。
歩きたーい!
あちらはこの翌年の2019年に鷲羽岳まで登りました。

まあまあ人が多かったので、15分ぐらいで下山開始。
あんな表情してるけど、実際は怖かったです。
でも基本数メーターおきぐらいに身を置ける場所があったので、ちょっと安心しました。

でも、登山の事故は下山時に多いので、慎重に慎重に。

無事穂先ハント完了し、眺める。
すっごい達成感と安堵感。

よくまあこれ登ったよ。

ズームするとマーキングがたくさん。
ハイシーズンは渋滞だそうな。
基本往復1時間ぐらいですが、2時間ぐらいかかる時もあるみたいです。

ピラミダルな常念岳が目を引きます。
そろそろまた登りに行こうかな。

テラスで朝飯を。
実は朝食は5時半からで、自分らは朝食前に穂先に登る予定で、5時半に帰ってこれるかわからなかったので弁当にしてもらいました。
結局ちょうど5時半に下山したので山荘で食べれたけど。

ちまきむすびかな?美味かったです!
お茶付いてました。

帰り支度をし、部屋から常念にお別れを。

さーて、このカールを下りますかー
雪渓やだなー・・・
6:20過ぎに下山開始!
槍ヶ岳は花の百名山にも選ばれてるので、綺麗なお花がたくさん咲いてました。(でも羽虫がめちゃ多かった)


そう、下りは撮る余裕ができたのです。

ハクサンイチゲに

イワカガミも綺麗でした。

登りガスってたししんどすぎてあまり撮れなかったけど、今日は元気だし晴れてるので何度も振り返りパシャリ。

この雪渓が一番長かったけど、滑り止め装着で慎重に行けば大丈夫でした。

北アルプスの大スター槍ヶ岳よ。
感動をありがとう!

あの辺が昨日落石あった辺り。
メットした方がいいです。

山荘から3時間弱で槍沢ロッヂへ。

今日は晴れてるので置いてありました!

最後にお別れを。
じゃーね。またいつか登りにきます。

今日は晴れてるから清流がキレイです。

水遊びしたーい。

槍沢ロッヂから1時間ちょっとで横尾へ。

良い天気~
またこちらでペプシを一気に飲み。

そして木漏れ日を浴びながら

おサルさんに挨拶しながら

横尾から1時間ぐらいで徳沢へ。

かんぱーい♪しちゃいます。

ペロリ。

この山小屋、色々と豊富でいつか泊まりたくなりました。

テラスもおしゃれです。

あっつーー
ほんと真夏になりました。

上高地らしい景色になってきました。

最後もまたミドリに癒され

槍ヶ岳山荘から8時間半ぐらいで

ゴーール!
わさび味のかっぱコロッケをパクリし帰宅。
いやぁぁ、疲労困憊。
極上の達成感と充実感、疲労感が味わえました。
おしまい
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