まだ記憶に新しい2014年9月27日、 犠牲者58人、行方不明者5人と、戦後最悪の火山災害が起きてしまった御嶽山(3,067m)。
山が好きな自分にとっては決して他人事ではない出来事であり、ちょうどその時期に御嶽山に登ろうと考えていた一人なので、いつか手を合わせに行きたいと思っていました。
4年の月日を経て、今年2018年の9月26日~10月8日までの約2週間、山頂(剣ヶ峰)へのルートが規制解除になったので、このチャンスを逃すまいと一人で登ってきました。
8合目付近は紅葉ピークで、山頂には冬が訪れてました。
ルート・コースタイム
御嶽山は主に5つ登山ルートがあり、下(南側)から延びる最短ルートであり噴火で一番被害を受けた王滝口ルートはまだ通行止め。
規制解除されたのはこれから登る黒沢口ルートからの剣ヶ峰なので、黒沢口から。
中の湯の上に御嶽ロープウェイがありそれに乗れば七合目まで行けますが、始発は8:30(土日は7:30)なので早めに登りたかったし黒沢口6合目である中の湯登山口スタートにしました。
コース状況としては、さすが有名なお山なだけあり登山道はよく整備されていて山小屋もたくさんありとても歩きやすかったです。少し富士登山っぽい感じかも。
急な登りや危険個所も無く、標高差の割にはキツくなかった印象です。
登山記
夜中に中の湯登山口に到着し車中泊。
月がきれいな夜でした。
5時過ぎ起床。
さすが規制解除が約2週間しかないので、平日なのに駐車場はほぼ満車でした。でもここの下にも駐車場有り。
写真左奥にある登山口から5:45出発。
5時45分ごろスタート!
夜明け直後の樹林帯、好きっす。
40分ぐらいで7合目にあるロープウェイからのルートと合流。
そこにある行場山荘。
まだ閉まってましたが、下山時はやってました。
御嶽山は合目ごとに山小屋があって、富士山ばりに環境いいです。
ロープウェイの営業時間はこちら。
さすが山岳信仰の山なだけあり、八合目までの樹林帯は7割ぐらい?が木道。
かなり年季の入った木道で、一昨日の台風の影響なのか濡れててスリッピー。下山時何度もコケそうになりました。
でもドライなところはけっこう歩きやすかったです。
ちょくちょく距離が書いてある道標があり、とても環境良し。
八合目に近づくと、赤や黄が現れはじめました。
やっぱ山の赤はナナカマドでしょ!
出発から2時間弱で八合目の女人堂に到着。
ここからの御嶽山、さいこう。
この辺が一番紅葉ピークで
息を飲む美しさ。
たまらーーん♪
やっぱ紅葉は気分が高揚しますわ。
でも、ちょうど噴火があったあの日もこんな綺麗な紅葉だったのだろうと、美しい風景を見てるのに胸が痛くなってしまいました。
こういったのがたっくさん。
山形の月山のすごい版みたいな感じすかね。
鳥居が倒れてました…
たまに鳴り響くこの音が心地よかったです。
あの辺の色もいい感じすね。
ギラッギラ。
でも、たまに強風吹いたりしてフリース着込んでてもけっこう寒かったです。グローブ必須。
こんな寒いとは思ってなかったのでバーナーとか山専ボトルとか持ってこなくて、逆にサイダー持って来ちゃった。
あったかいコーヒーが美味い季節になってきた。
九合目の石室山荘が見えた。
さすが3,000m峰。森林限界を越え、この辺からは岩々しい。
マーキングもしっかりしてるので、道迷いの心配も無し。
どんどん眺望が良くなってきます。
八合目から一時間ぐらいで石室山荘へ。
ここおもしろい。
こうやって通り抜けて行く感じ。
まったりできます。
自分はヘルメット持って行きましたが、こちらや下の山小屋でも貸してくれます。
なんか富士山みたい。
九合目から上はすでに冬モードで
今シーズン初霧氷!
尻尾もすくすく。
ほんっと寒い。。
月が浮かぶ御嶽ブルーの空へ。
見えた!頂上!
ここから20分ぐらい。
摩利支天への分岐辺り。
そこにあるのは噴火前はもっとブルーだったらしい二ノ池。
御嶽山には五ノ池まであるらしいですが、けっこう距離あるし行くのやめました。
二ノ池本館は改装中。
承知しました。
メットは半分ぐらいの人が被ってたかなーと思います。
ついに到着!
シェルターが3基有り、このシェルターを設置した事が条件に規制解除されたんだとか。
左上の階段を登ると山頂。
その前に、シェルター左にあるこちらの慰霊碑にて今回の目的を。
涙が出そうになった。
- 9月27日という紅葉真っ盛りで一年で一番登山者が賑わうシーズン
- 土曜日という一番登山者が多い曜日
- 午前11時52分という一番登山者が山頂に賑わう時間
- 最短距離の一番登りやすいルート
- 好天
おそらく一年で一番噴火してほしくない時・所で起きてしまった・・・
あの時ここで犠牲になったとしても全然不思議ではない自分としてはここで手を合わせる事しか出来ませんが、銘文の通りこの出来事を絶対に風化させたくないと思いました。
どうか安らかにお眠りください。
救助捜索活動をしてくれた皆さん、本当にお疲れ様でした。
目の前の剣ヶ峰山荘もほぼ当時のまんま。
噴石が降り注ぎ、想像を絶する悲惨な状況だったんだろう。
立入禁止の王滝口ルート。
ちょうどあの辺が一番犠牲者が出た辺り。
灯篭や
手すりもあの時のまんま。
階段に噴石の跡も。
階段を登り山頂へ。
凍てつく鐘。
首の無い白川大神像が痛々しい。
噴火前はあのお鉢巡りが出来たみたいですが、今は立入禁止。
岐阜側。
白山見えないけど、もっと右だったっけ?
下のシェルターで軽く一服。
ちょっとガスが増えてきちゃいましたが、最高の眺め。
目の前には中央アルプス。その奥には南アルプス。
ありゃ富士山かな?右のは塩見岳だろうな。
こっちからの眺めは初なので自信ないけど。
ちなみに雪山の写真ですが、中央アルプスの木曽駒から見た御嶽山はこんな感じでめっちゃかっこいいです。
眼下には帰りに寄る麓の開田高原。
登ってきた登山口も見えました。
左には乗鞍岳と右奥に穂高。
北アルプスは雲多めすね。
さてと、下界に帰りましょう。
帰りは時間的にロープウェイを利用し登ってきた人たちとかなりすれ違いました。
他の山の土日より多いレベルなぐらい多かったです。
八合目に戻ってくると、再び紅葉ゾーンへ。
やっぱ秋はいいっすねー
四季のある国に生まれてよかった。
最後に御嶽山と御霊にお別れを。
またいつか来ますね。
木道をもくもく歩き
山頂から3時間ぐらいで下山完了!
トータルで7時間半ぐらいでした。
今日は木曽路を走り木曽山脈(中央アルプス)を眺めたので、帰りは木曽温泉で全回復♪
日帰り入浴600円
茶色の濁り湯が最高でした。
開田高原からの御嶽山が眺めたかったので行ってみるも、山頂はスッポリでした。
帰りは国道361沿いにそば屋がたくさんあったので、こちらまつばさんで
山菜そばをパクリし
秋の夕空を眺めながら帰宅。
一つ心のしこりが取れた一日でした。
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